色彩の連想心理作用(イメージと感情)
冒頭でもお話したように、色というのはすごく感覚的なもの。
では、なぜ人間にとって色は感覚的なものなのでしょうか。
それは色には、それぞれ感情、物などをイメージする連想作用があるからです。
色彩のイメージ
色彩というものは元々自然に備わっているもので、人はその自然物から色を学んできました。
その為、色を見ると、その色彩に影響を持つ自然物を連想してしまいます。
そして、さらに、その自然物が持つ主観的(かわいいとか)イメージを、積み重ねて連想していきます。
特に子供の場合、この流れが顕著で例えば、赤を見たとき、真っ赤なヒーローを連想する子供は、赤のことを強いと思いリンゴやイチゴを連想する子供は、赤をかわいい色と人に話すでしょう。
ヒーローは悪役をやっつけるので単純に強い、リンゴやイチゴは丸みを帯びたフォルム等からかわいいと感じるようです。
このように、色に対して、特定の自然物を連想し、自然物が持つイメージを色自体のイメージとして重ねていきます。
地域の気候によってもこの違いがあり雪国の人にとって青は寒い色であっても、アラブの人にとっては冷たくて気持ちいいというようにイメージが分かれます。
雪国の人にとっては、その気候下で青といったら水、そして冷たくて寒い。
アラブの人にとっても、青=水であっても、暑い気候なら、冷たくて気持ちいい、といった具合に。
同じ水でも、それが気候的に、辛いか、気持ち良いかで、そのイメージが変わります。
雪国の人には青い部屋は「余計寒くなる」と思われても、アラブの人には「涼しげで良い」なんて思われたりするのでしょうね。
色彩から受ける感情
例えば、気分が落ち込んでいるときはブルー、怒っている時は赤、といったように人は感情というものを色で表現します。
ということは、逆説的に考えて、色によって人間に特定の感情や感覚を抱いてもらうことも可能、ということです。
例えば以下のように、感情的な感覚によって色をグループ分けすることもできます。
■寒色&暖色
暖色は赤、オレンジ、黄色などの暖かそうな色
中性色は、緑、紫、無彩色の熱を感じにくい色
寒色は、青、水色などの涼しそう、寒そうな色
■進出色&後退色
進出色とは、より近くに感じる色のことで、主に暖色系の色
後退色とは、より遠くに感じる色のことで、主に寒色系の色
■膨張色&収縮色
膨張色とは大きく見える色のことで、暖色や明度の高い色(最も膨張しているのは白)
収縮色とは小さく見える色のことで、寒色や明度の低い色(最も収縮しているのは黒)
黒い服を着るとしまって見えるのは、収縮色だからです。
無彩色と有彩色は彩度によって分けられるグループで上記の3つは、人の感覚によって分けられるグループとも言えるでしょう。
主観的な視点を一回手放して見ましょう
色々な例を挙げてきましたが、色というものは人間にとって感情に連想して繋がっています。
それだけに、すごく感覚的でありそれゆえに、感情によって色本来の性質が誤解されることもよくあります。
このインテリア色選びを失敗しないためのカラーコーディネート基礎知識で色彩について、様々なキーワードを紹介していますがその目的はただ一つ。
そういった色に対しての感情などの主観的な視点の他に、客観的な視点を持てるようになること、です。